中華そば(中盛) ¥600(+¥100)
ラーメンは、麺料理である。
何をいまさらと思う人がいるかもしれないけれど、
この店に来ると、いつもそんなことを思いながら帰ります。
赤羽駅から徒歩1分。
入口はわかりにくいですが、店の右脇の道の奥にあります。
店主はラーメン界のスーパーサラブレット。
王子の『中華そば 伊藤』の息子さんであり、
鶯谷の『麺処 遊』の弟さんであり、
秋田、角館の『伊藤』の甥っこさんでもあるという。。。
やべぇ、そんな家に生まれたかった。
表題の「中華そば」を食券で。
ちなみに「比内鶏そば」というメニューは角館の味らしいです。
こっちもうまい。
出てくるのは、スープに麺とネギだけの超絶シンプルなラーメン。
チャーシューもメンマもないです。
ここまで潔いと、よっぽど自信があるんだろうなと思うよね。
店名の通り、自家製の麺が主役。
ポキポキと小気味のいい歯ごたえの細ストレート。
ああ、麺食ってるなーって感動すらします。
しなやかで、ほどよく芯が残り、小麦の味もしっかり。
茹で加減も完璧なんだよね。
スープとよく絡むタイプではないけど、
それはこの店では意図すべきではないというか。
そのスープは煮干系。
苦味はしっかりあるけど、エグいというのとは違う。
動物系も少しするかな。ほんの少し。
この店ではスープは脇役にすぎないから、
麺を食べてるときに香る程度でちょうどいいのだ。
それでもこの煮干の出し方はかなりレベル高いから完飲するけど。
ラーメンって、麺料理なのにスープ偏重なところがある。
蕎麦とか、うどんとか、他の麺類では考えられないことだよ。
スープに力を入れることで進化してきた面もたしかにあるけど、
でも、やっぱり麺から離れちゃいけないと思うんだよね。
だってどこまでいっても、ラーメンは麺を食べる料理だもん。
煮干の香る伊藤の麺をモグモグしながら、
そんな当たり前なことを思った夜でした。